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| パウロはいかにしてパウロとなったか? | ||||||||||||||||||||||||||||
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テイラー・コールドウェル 別宮貞徳 監訳 第1部 小川昭子 訳/第2部 渡部啓子 訳/第3部 家本清美 訳 |
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彼は紛れもないライオン、赤いライオン、神の偉大なライオンだった。
(聖アウグスティヌス) キリスト教の2000年を通じて最大の伝道者、神学者といわれる、使徒パウロ。新約聖書最古の文書のパウロ書簡(真筆7書簡)は、人々の信仰の支柱として、神学のよりどころとして、今も世界じゅうで読まれている。キリスト教で最も重要なこの人物の、生い育った環境や具体的な生活を伝える記録はしかし、ほとんどない。パウロはいかにしてパウロとなったか?
本書は、全身全霊をもってライオンのごとく、神に仕えたそのひととなりと戦いを、聖書ほか古代文献に立脚しつつ、洞察すぐれる歴史的想像力をもって、生後まもなくからローマ護送に至るまで、肌理細かく、かつ骨太につむぎ出す歴史小説。現代の教会にも伏在する諸問題まで逆照射するほどに、原始キリスト教世界の諸相もひとコマひとコマ生きて動くかのように描かれ、展かれてゆく。そのただなかに、圧倒的な光彩を放つパウロ像が立っている。
紀元1世紀、ギリシアの洗練とローマ帝国の圧迫に浸潤されるイスラエル、人々の生活は基本的に現代と驚くほど変らず、さまざまな思想は複雑に反響交錯していたそのなかで、サウロ(パウロのヘブライ名)は成長する。はやくから人間より神に従うことを選んで、神との出会いを切望する。その献身の一途さから大きな誤りを犯すが、ついに劇的な回心を迎え、望みに望んでいた神に仕えることが実現する。そして異邦人への宣教に従事し各地に教会を建てつつ、外部の敵以上に頑強な内部の敵とも戦う……。全篇、雄々しく躍動する人間パウロの姿が活写される。
日本人にもゆかしく感じられる人間味豊かな人々、さまざまな魅力を湛えた女性たちがサウロ身辺に登場するとともに、ユダヤ人、ギリシア人、ローマ人の民族性・人間性もまた、手に取るように鮮やかに浮彫りされる。
翻訳は、読んで快い日本語。行文にスピード感があり、1000余のページを一気に読ませて飽きさせない。
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本書を読み味わううえで、キリスト教の信仰や知識が必須ということはありません。その信仰や知識をまだ持っていない人にとっても、この、パウロの熱い生き方をめぐっての著者の思いと筆の冴えは、短時日時間を割きページを繰るだけで、生涯にわたって忘れがたい印象を刻み込むものとなるでしょう。
読者の方から(なかには、二三日で読んだ、とおっしゃる方も)、聖書がわかりやすくなった、身近なものになった、という読後感を多数いただいています。
原著初刊後まもなくに訳了を果しながら、出版社の事情で企画は流れ原稿も失われた本書監訳者と、小社編集者の久々の再会から、35年後の本邦初訳となりました。
【著者の言葉──「まえがき」より】
私は、彼がどういう人だったのか、私たちと同じように絶望や疑いや不安や憤り、さらには「肉欲」を抱えた人間としての彼に関心がある。多くの書籍は使徒としての彼を扱っている。私は不屈の聖人としてだけではなく、人間としてのこの人に関心を持っている。
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